第3回 篝狂言『公演記』
雨の中、市民会館は超満員になった
向日神社の鳥居に「本日の篝狂言は、雨天のため市民会館に変更致します。」の看板が立てられた。
市民会館でカッポ酒は振る舞えない。家で飲んでもらおうと用意した竹のぐい飲み460個。お煎茶のお茶菓子は篝を手書きした460個の薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)。
3時30分、4時からの宇治田楽と祇園獅子舞を観ようとお客様がやってきた。 5時、雨の中開場を待つお客様の長蛇の列。開場と同時にお茶席は満席、水屋は戦場となった。
7時、照明の消えた会場に宇治田楽の笛の音が流れる。太鼓の音とともに狂言がはじまった。ホリゾントライトをバックに薄暗い照明。ステージの上にも桟敷席。座るのはよく笑う常連客。
今年の火入れは電気仕掛け。火がないのに篝が燃える。
大向こうをかけに、初音会の岩城会長が大阪から。地元の衆も負けじと大向こうをかける。笑いが起こりアドリブで会場が沸く。3回目となれば、カッポ酒がなくても会場は盛り上がる。舞台と客席が一体となってこそ篝狂言。千之丞さんも古くて新しい狂言を創ろうとアドリブであおる。
「ありがたいことに、今年は北海道や関東、四国からも観に来ていただいている」と実行委員長の六人部(むとべ)宮司が挨拶。
狂言と田楽、獅子舞の3つの楽屋、顔見知りも多く通路は交流の場となり、あちこちで記念撮影。楽屋も笑いが絶えない。
9時「ありがとうございました」と挨拶するスタッフの中を満足そうなお客様。外は土砂降りの雨。
来年も5月24日に開催。
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